波浮の港を愛する会 本文へジャンプ
 
◇土田耕平(歌人・童謡作家)


ただ一つ見えて悲しき朝船は野増の磯に寄らで過ぎゆく

大正4年〜10年まで滞在

土田耕平(1870〜1933) 長野県諏訪郡で生まれる。
島木赤彦を生涯の師とし、病弱を労りつつ「アララギ」選者となり、
歌風は清澄透轍。大正5年から10年春まで(22歳〜27歳)
伊豆大島で療養歌集 『青杉』(258首)を読む。



土田耕平
ただ一つ 見えて悲しき 朝船は
      黒野増の磯に 寄らで過ぎゆく

蛙鳴かぬ 島にし住めば この頃の
    そぼ降る雨夜 ふるさとを思う

さくら散る 山裾道の 夕暮れを
     牛曳きて来る 小女子あはれ




土田耕平(1895〜1940)長野県生まれ

東京中学校卒、島木赤彦に師事。 「アララギ」 発行とともに
短歌を発表。赤彦の推賞もあって、その清澄な歌は大正末期の
青年層に影響を与えた。大正11年、大島で6年間の療養生活
を送りつつ書き上げた 「青杉」 を出版。
その他、童話も書き処女童話集 「鹿の眠」 を出版。
歌集 「斑雪」 「一魂」、 童話集 「原っぱ」 「夕焼け」 「裾野」
等々がある。
大正4〜10年来港